yama

こんにちは!広報デザイナーのyama(@ひとり広報)です

ひとり広報では、ビジュアル表現の一つとしてHDR写真のテクニックを紹介しています。

この記事では、「HDR写真とは?」からはじまり、撮影・合成・編集の方法、プラスαのテクニックまでまとめました。
1枚の写真が劇的に変化するHDRの世界を楽しんでください!

HDR写真って何?

HDRとは、ハイダイナミックレンジ合成(High Dynamic Range Imaging)の略で、明るさを変えた複数の写真を合成した白飛びや黒つぶれのない写真表現です。

HDRはカメラ内で合成する方法と、パソコンの専用ソフトで合成する方法があります。
カメラ内合成はスマホのカメラ機能にも搭載されていて、すでにみなさんが使っている機能ですね。
また、仕上がりや手法に違いはありますが、コンピュータグラフィックや広告の世界では以前からHDR技術は使われていました。

例えば、自動車のカタログ。
夜景をバックにクルマが写っているカットがありますが、あれは1枚の写真(1ショット)では表現できません。
明るさの異なる写真を複数枚撮りパソコンで1枚に合成する方法や、撮影時に暗いところには照明をあて、明るいところにはデフューズフィルタをかけるなどして、明調から暗調までをコントロールした撮影方法がとられています。これらもHDR合成の考え方と言えます。

ここでは、パソコンでHDR合成する方法をまとめていきます。

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HDR作成に必要なもの

HDR合成する場合、元になる素材を撮影しソフトウェアで編集します。
最低限必要なものとして、デジカメと合成用のソフトがあればOKです。

まずは、デジカメの用意

デジカメは一眼レフでもコンデジでもOKですが、オートブラケット機能がついたカメラをおすすめします。連続して3枚から7枚くらいまでを撮影するので、カメラ側で明るさを調整しながら撮影できるオートブラケット機能は必須だと思います。

オススメのHDR用デジカメってあるの?

HDR撮影の主流は、一眼レフやミラーレスです。
オートブラケット機能が充実していたり、レンズ交換で様々な表現ができますからね。
一眼であれば、上位機種、エントリー機とそれほど気にしなくてもいいかなって思います。

ボクはコンデジが好きなので、スナップ感覚でHDR撮影をしています。
コンデジの場合、HDR撮影をしたい時は機種選びに注意が必要です。機能が省略されているカメラもあるので、ブラケット撮影できるか?はチェックしましょう。
以下に、ボクが実際に使ったオススメのカメラを紹介します。

個人的には、SONY RX100シリーズがオススメです。
携帯性と画質に優れ、ブラケット幅も充分に確保できます。
唯一のネックは価格設定が高めなところ。最新のRX100M5は10万円オーバーのコンデジです。
でもね、この機能でポケットに入るデジカメってないですよ。

最新型ではないですが、個人的にはRX100 MarkⅣをオススメします!
使いやすいですよ!

合成用ソフトはどうするの?

合成ソフトは、Photomatix Proがおすすめです。
有料ソフトですが、全機能を無期限で使える無料体験版もあります。(体験版は合成した写真にPhotomatixの透かしが入ります)

購入時は15%OFFのクーポンコードが配布されているので、これを利用して導入しましょう。
Photomatix Proの導入方法は、次の記事で紹介しています。

Photoshopを使っている方には、Googleから無償提供されているPhotoshop用プラグン、Nik Collectionがオススメです。その中にある HDR Efex Pro でHDR合成ができます。
こちらは完全無料なので、Photoshopユーザさんは是非。

素材撮影からHDR合成

道具が揃ったら、HDR素材を撮影しPhotomatix Proで合成していきましょう。

デジカメの設定はどうする?

  1. 絞り優先モードで、F8に固定(コンデジの場合はF5.6程度でもOK)
  2. ISO感度は最低感度に固定
  3. ホワイトバランスはオート
  4. オートブラケットは±2EV、3枚撮影

なぜ、絞り優先モードでF8に固定するのか、オートブラケットの設定って何?という方はこちらの記事を参考にしてください。

カメラの設定ができたら、ガンガン素材撮影へ出かけましょう!

何を撮っていいか分からない!という方へ

いざ撮影となっても、何を撮ればいいの?という方もいるでしょう。
ボクは何でもHDR化して楽しんでいますが、HDRに「ハマる」被写体や天候はあります。

  • 人工物
  • 反射

この3つが基本条件です。
要するに、雲の多い時に反射の強い人工物を撮るとHDR映えするということですね。
初心者さんは、夏の雲や、オフィスビルなどを撮影するとHDRらしさを楽しめますよ。

人工物と雲の組合わせ。普段の景色がダイナミックに変わります。

撮影後はPhotomatix でHDR合成!

素材の撮影ができたら、いよいよHDR合成です。ここから劇的に写真が変わります。
HDR合成用のソフトはPhotomatix Proを使います。
Win版、Mac版がありますのでOSに合わせてダウンロードしてください。

Photomatixは日本語版のソフトなのですが、ソフト特有の用語が多すぎて最初は全く理解できないと思います(汗)
マニュアルもイマイチ分かりにくいので、全パラメータの解説を書いてみました。

参考記事を読みながら操作していけいば、簡単にHDR合成ができちゃいます!

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編集で10倍はかっこ良くなる!

Photomatix Proをしばらく使っているとあることに気づきます。

「自分のHDR写真と、他のサイトで観るHDR写真がなんか違う」

これ絶対にあります。
PhotomatixだけのHDR合成は、ややシャープさが不足で彩度も高めの写真になりがちです。
ソフトの仕様なのか、作業中のプレビューと出力した結果が微妙に違う気もします。

これらを解消し、もう一段上のレベルの写真に仕上げるには別途の編集が必須です。

  • Lightroom
  • Photoshop

上記のソフトはいずれも有料ですが、編集の自由度と精度が高いのでオススメです。

Lightroomを使ったHDR写真の編集方法はこちら

ボク個人が一番使っている方法が次の紹介記事です。
基本はPhotoshopで編集して、プラグインのNik Collectionで味付けする感じです。
Nik Collection は無料のプラグインなので導入してください。

後から編集する時のコツは、

  • 彩度を抑える
  • ノイズを除去する
  • シャープネスを加える

これらの処理をするだけでも、スッキリくっきりした写真に仕上げることができます。

HDR写真をはじめた頃は、どぎつい写真を大量生産すると思います。
これはセンスがどうこうとかでなく、写真がガラッと変わる楽しさでついついやり過ぎちゃうだけです。
いくつか作っていけば、おさえどころと自分の好みが出てくると思います。

作例

新幹線などの乗り物もHDR化すると近未来感が出て面白いです。
建物でも反射の低いものは、沈んだイメージになります。
処理の仕方でイメージを変えらるのもHDRの醍醐味。
自然界はHDR化するのが難しい被写体。特に水流は常に変化するため、合成が難しくなります。

最後に、今回のまとめ

ここまでがyama流 HDR写真の作り方の全てです。

ボクは、HDR写真をはじめたことで写真を楽しむことを知りました。
デジカメの性能も今より数段劣る状況だったので、ノイズの処理や色調を整えるためにPhotoshopの作業が必須でした。
結果として、楽しみながら写真技術やPhotoshopの技を勉強することができました。
「こんな風にしたいな」って感覚を、色々試しながら再現していった感じです。

ですが、自分にストックされた知識やノウハウを形に残したり、伝えたりということは全くしていませんでした。
むしろ、ノウハウを公開するなんてもったいない!って思っていました(笑)
今となっては冗談にも思えますが、当時は本気でそう思っていましたねぇ。

知識やノウハウは公開する意識を持つことで、現状の実力や知識を自分で再確認できること。
そもそも、どんどん公開しないと陳腐化するだけなんだなと、今回のまとめ記事を作りながら感じました。

この記事を読んでくださった方が、写真に興味を持っていただければ嬉しいです。
そして、こんなHDRできたよ!とか、こんな方法あったよ!なんて教えていただけたら飛んで喜びますw

それでは、今回はこのへんで。